債務整理 任意整理 やるべきこと

債務整理の中でも一番多いものが任意整理です。

そして、任意整理は弁護士や司法書士に委託することが一般的ですが、手続きの流れや自分でやるべきことなどについて詳しく解説していきます。

キャラ(真面目)

まず、債務整理とは返済金額を見なおして減額したり、過払い金があれば払い戻しを請求することで金利負担の生活から逃れるための方法です。

そして、債務整理の種類には任意整理の他にも、特定調停・個人再生・自己破産などの方法があります。

また、その中でも特に任意整理の頻度が一番高くなっています。

任意整理とは、債権を持っている消費者金融などに対して個人的に話し合いを持ちかけて借金返済額の減額や見直しを行う手続きです。

特に資格が必要なわけではないため、債務者当人が交渉することもできますが、ほとんどの場合は 話し合いに応じてもらうことができません。

そのため、現実的には法律相談事務所に所属されている弁護士さんや司法書士さんに任意整理を委託する方法が一般的となっています。

そこで、今回のブログ記事では、法律相談事務所で任意整理を委託したことを前提として任意整理の手続の流れと自分でやるべきこと、注意点などをお伝えしていきます。

任意整理の手続の流れ

任意整理を法律相談所に委任してから全ての手続きが終了するまでには、短ければ3ヶ月長ければ6ヶ月以上が掛かると言われています。

時間的にはかなり掛かってしまいますが、一度 法律事務所に委任すれば債務者当人が自分でやるべきことはほとんど何もありません。

そして、法律事務所が任意整理に取り掛かると消費者金融などからの取り立ても一切来なくなります。

精神的ストレスからも解放されますし、この間に法律事務所に支払う着手金や成功報酬を積み立てていきます。

それではさっそく、それぞれの手続の段階を確認していきましょう。

1.法律相談事務所で相談

債務整理の委任を受け付けている法律相談所は数多く存在しており、それぞれによって着手金や成功報酬の有無に違いがあります。

また、法律事務所に所属している弁護士、もしくは司法書士のいずれかに委任するかということでも任意整理の委任料金は大きく変わってきます。

弁護士であれば、債務整理全般において何の制限もなく委任を引き受けることができます。そのため、着手金や成功報酬も高くなる傾向にあります。

その一方で、司法書士の場合であれば140万円以下の債務整理のケースのみ引き受けることができ、裁判所での法的な手続きは債務者当人が行う必要があります。

こうした理由から、司法書士に債務整理を委任すると弁護士と比較して若干料金が安くなる傾向があります。

しかしながら、ほとんどの法律事務所では債務整理に関する初回相談であれば弁護士さんが無料で対応して下さるところがたくさんあります。

ですから、まずは弁護士さんに債務整理を相談してから、どちらに委任すべきか考慮することが最善策だと思います。

2.任意整理の委任書類を準備・作成

債務整理(任意整理)を委任する法律事務所を決定したら、委任するための書類を準備・作成していきます。

また、この際に着手金や和解交渉による成功報酬などについて法律事務所の方から債務者に対して説明があります。

着手金と聞くと、任意整理を始める前に支払うべきでは?と思われるかもしれませんが、この段階では金額を支払う必要はない場合がほとんどです。

法律事務所の方も 債務整理を真剣に考えられている方は経済的にかなり困窮されていることを重々理解しているため、任意整理の手続きを進めていく期間中に報酬金額を積み立てていく方法を取っています。

3.消費者金融へ受任通知を発送

債務者からの委任書類を法律事務所が受け取ると、これから任意整理のための交渉を行う金融機関に対して受任通知という書類を発送していきます。

受任通知には 債務者から任意整理の依頼を受けた弁護士・司法書士の情報と金融機関に対して債権を証明する書類の法律事務所への送付を依頼する旨が書かれています。

また、この受任通知が消費者金融などに届くと債務者に対する取り立て行為が即日止まるようになります。

結果的に精神的にリラックスできる環境が整いますから、この期間の間に法律事務所へ支払う報酬を積み立てていきましょう。

4.借金返済履歴の収集

受任通知にかかれている内容の通り、債務者のこれまでの借金返済履歴を開示する金融機関もあれば、これまでの借金返済履歴の一部のみ、もしくはそもそも開示に応じない消費者金融もあります。

借金返済履歴を全て収集することで、借金総額や金利を計算することができるため、足りない情報については債務者からのヒアリング銀行通帳の履歴などから情報を集めていくことになります。

5.利息制限法で引き直し計算

借金返済履歴の収集が完了すると、続いて利息制限法の金利に則りながら借金総額の引直計算を行っていくことになります。

特に、賃金業規制法という法律が規制される以前は29.2%という高金利での賃貸しが行われていましたが、現在は利息制限法によって最大でも金額によって18%から20%までに規制されています。

利息制限法についてはウィキペディアで詳しく解説がなされています。

金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が次の利率(単利。以下「制限利率」とする。)により計算した金額を超えるときは、その超過部分につき無効である(本法1条1項)。

  • 元本が100,000円未満の場合 年2割(20%)
  • 元本が100,000円以上1,000,000円未満の場合 年1割8分(18%)
  • 元本が1,000,000円以上の場合 年1割5分(15%)

出典:利息制限法 | Wikipedia
引用元URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/利息制限法

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つまり、10万円以下の債権であれば年利は20%まで、100万円以下の債権であれば年利は18%まで、1000万円以下の債権であれば年利は15%までと規定されています。

消費者金融が利息制限法の規定以上の金利で賃貸しを行っていた場合には、その分の金額が借金総額から減額できたり、借金を払いきっていて過払い金が出ることもあります。

過払い金が存在が認められると、法律事務所は金融機関に対して過払い金請求を行います。

また、金融機関が素直に請求に応じれば問題無いですが、稀有に支払いを拒否した場合には訴訟を起こしていくことになります。

6.債務整理の方向性を決定

借金返済履歴を確認して、利息制限法に則って引直計算が完了すると、次に、どの種類の債務整理を行っていくか方向性を決めていくことになります。

例えば、借金総額が減額されたことで3年から5年ほどの期間をかければ、十分に完済が現実的に可能だと見込まれる場合には任意整理を行っていきます。

一方で、利息制限法が制定されて以降の借金であった場合には、借金総額がほとんど減額されないケースも有ります。

その際にも、長期の分割決済による任意整理という形を取る場合もあれば、個人再生や自己破産といった形で借金返済額の一部または全額を免除してもらうといった方法を取る可能性もあります。

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個人再生や自己破産に向いている方の借金・財産状況についてはコチラの記事で詳しく解説してます。

7.金融機関との和解交渉を開始

任意整理を担当している弁護士・司法書士が妥当な交渉内容を想定すると、消費者金融や金融機関に対して和解交渉を持ちかけて行きます。

ちなみに、任意整理の認知度が低かった以前であれば、弁護士や司法書士が対応するだけで無条件に将来利息がカットされていましたが、

最近では消費者金融などの金融機関も法律事務所による任意整理に対して耐性を持ち始めてきており、将来利息のカットを拒否したり、一括返済を条件として出してくるなど、以前よりも和解交渉が難化している傾向にあります。

そのため、任意整理の経験が浅い弁護士・司法書士では、債務者にとって不利な条件で和解交渉を締結してしまうリスクが有ります。

そのため、任意整理の経験が豊富な法律事務所に委任しておくことが大変重要になってきます。

8.和解契約書の締結

担当している弁護士や司法書士がそれぞれの金融機関との和解交渉をまとめることができれば、和解契約書を締結して、締結内容を債務者に通達することになります。

この際に、各金融機関に対してどのくらいの期間どの程度の金額を返済し続ければよいのかといった具体的なプランを把握することができます。

さらに、過払い金が発見された金融機関に対しては、和解交渉を締結する際に過払い金請求も行うようになります。

和解契約書で締結された過払い金が金融機関から支払われない場合には、訴訟による法的な拘束力を利用して支払いを促すこともできるようになります。

この段階では、債務者は随時通達されてくる金融機関と法律事務所が締結した和解契約書の内容を確認するだけで大丈夫です。

9.任意整理の手続き終了

任意整理の手続きが全て終了すると、債務者がそれぞれの金融機関に対して支払う金額を法律事務所に一括で送金していくようになります。

法律事務所は送金された金額をそれぞれの金融機関の返済に当てていきます。

ちなみに、法律事務所によっては債務者当人がそれぞれの金融機関に返済をしていく形を取るものもあります。

※ 万が一、債務者が法律事務所や金融機関に対する送金・返済を怠ると、担当の弁護士・司法書士が辞任してしまって再び取り立ての催促が来るようになります。

そのため、任意整理で月々に支払う金額は無理のないものに設定することが大切ですし、任意整理が交渉の段階から、あらかじめ預金を積み立てておきましょう。

10.法律相談事務所への支払い

任意整理によって法律事務所と金融機関が和解交渉を進めている期間は取立の催促によって悩まされることがないため、この期間内に月々数万円づつ法律事務所に積み立てておくことで、法律事務所に対して支払う着手金・成功報酬・和解金の充当に使われます。

<法律事務所への支払金額の種類と目安>
  • 着手金(法律事務所による)
  • 和解成功報酬(金融機関一社毎) :2万円前後
  • 過払い金請求の成功報酬       :過払い金のおよそ10%

任意整理のメリット・デメリット

メリット1:多重債務の中から整理対象を選ぶことができる

債務整理の中で任意整理が最も多く選ばれる理由には、多重債務の中から整理対象を自由に選択できるということがあります。

例えば、自己破産や個人再生といった手段を選択すると、負っている債務すべてが対象になってしまいますし、自己破産であれば20万円以上の時価が認められる財産は全て手放さなければなりません。

その一方で、任意整理であれば自動車・住宅ローンは契約を続行することで、自動車や住宅を保持しておくといった柔軟な判断が可能になります。

メリット2:借金の取り立てによるストレスから解放される

法律相談所に対して任意整理を委任すると、法律事務所から受任通知がそれぞれの金融機関に発送されます。

受任通知が金融機関に到達すると、即日から借金の取り立てが自宅や仕事場に来なくなります。

任意整理を行ってよかったと実感する方々の多くは借金の取り立てが来なくなったことによる精神的な解放感に喜ばれることが多いです。 

デメリット1:賃金業規制法以降の借金であれば減額されない

任意整理は和解交渉によっていくらでも借金総額を減額できる特別な手法ではありません。

あくまでも、利息制限法で規定されている金利に則って借金総額を計算しなおして無駄を排除するだけに留まります。

また、賃金業規制法が施行されて以降消費者金融も18%から20%に金利を再設定している場合が多いため、

最近行った借金であれば、任意整理によって計算し直しても、借金総額がほとんど変わらないケースも有ります。

こうした場合においても、どうしても借金返済が困難である場合には、個人再生や自己破産といった方向性で債務整理を進めることができます。

デメリット2:信用情報(ブラックリスト)に掲載される

金融機関は個人の信用情報を相互に共有しています。

債務整理をすると信用情報が極めて悪いということで、ブラックリストに追加されてしまうことになります。

そうすると、5年ほどローンを組むことができなくなってしまったり、新しいクレジットカードを発行することができなくなってしまいます。

しかしながら、審査・信用情報が必要ないデビットカードであれば発行することができるため、

ネット通販やPayPalを円滑に使いたい場合には、デビットカードを代用していくようにしましょう。

借金返済に必要な心構え

キャラ(真面目)

それでは最後に、債務整理後にもしっかりと借金返済をしていくための心構えをお伝えしていきます。

給料を使い切らずに貯金する癖をつける

多重債務に陥ってしまう方々にはさまざまな事情があるとは思いますが、ほとんどの方が稼いだ給料を貯金せずに、無計画に使いきってしまう傾向があると言われています。

任意整理のための和解交渉が進められている期間は金融機関への借金返済は不要ですが、法律事務所に毎月一定額を積み立てることで、手続き終了後の報酬を支払う準備をしていきます。

この経験をキッカケにして、毎月稼いだ給料の一部は貯金する癖をつけていきましょう。

お金の使い方にシビアになる

每日の生活の中でちょっとした工夫をするだけでも、かなりお金を節約していくことができます。

例えば、每日コンビニで昼食を買っていたのであれば、自炊することでも1日あたり数百円節約できます。

こうした小さな積み重ねを続けていくことで、少額づつではありますが確実に貯金をしていくことができます。

まとめ

今回のブログ記事では、債務整理の一つの方法である任意整理の手続きから自分でやるべきことに関する情報についてメインにお伝えしていきました。
キャラ(笑顔)

基本的に、任意整理に限らず 債務整理を法律事務所に委任すれば、必要な手続きのほとんどは担当の弁護士・司法書士が進めるようになります。

債務者当人が自分でやるべきこととしては、必要書類を準備して担当者に渡すことが大部分になります。

他のポイントとしては、法律事務所に毎月一定額を積み立てることで、任意整理の手続き終了後の報酬支払の準備をすることくらいです。

また、今回のブログ記事では借金を返済するために必要な心構えも書きましたので、これから債務整理を検討する際に意識してみてください。

キャラ(笑顔)

また、任意整理を含む債務整理の全体像を掴むために、コチラの記事では債務整理の種類とそれぞれに向いている方を解説しています。

また、債務整理の中でも任意整理(=特定調停)や

個人再生、自己破産の違いについては以下のブログ記事を参考にして下さい。